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内臓脂肪症候群

健康ブームを背景に、テレビや新聞・雑誌等でやたらと飛び交うカタカナ語。少々とっつきにくいものですが、健康的な生活を送るためにとても大切なものがあります。今回は「メタボリックシンドローム」をご紹介します。

メタボリックシンドロームとは

生活習慣病としてよく挙げられる病気に、肥満症や高血圧症、高脂血症、糖尿病などがあります。これらの病気は、個々に原因であらわれてくるというよりも、内臓に脂肪が過度に蓄積されたことによって発症していると考えられています。この内臓脂肪型肥満が原因で、さまざまな病気が引き起こされやすくなった病態を「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」と言います。これを放置し続けると、心筋梗塞や動脈硬化、糖尿病合併症などを招く恐れがあります。

リンゴ型? それとも洋ナシ型?

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肥満かどうかを判断するとき、これまでは「BMI」と呼ばれる国際的な指標をもとにしてきました。これは身長と体重の比から算出されます。

[BMI(=Body Mass Index)]

体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) 22を「標準」として、18.5以下を「痩せ」、25以上を「肥満」とします。

最近では、これにウエスト周囲径を測る診断基準が加わっており、「メタボリックシンドローム」かどうかを判断するときにも、この診断結果が基準になります。結局、問題なのは体のどの部分に脂肪がついているかであり、ポイントは胴回りなのです。そうした脂肪のつき具合から、肥満を2つのタイプに分け、俗に「リンゴ型」「洋ナシ型か」と表現しています。

リンゴ型は体(からだ)全体が丸いタイプで、「内臓脂肪型」と呼ばれています。洋ナシ型は下腹部、腰回りのあたりが太っているタイプで、「皮下脂肪型」と言われています。特に危険とされる肥満がリンゴ型です。さまざまな生活習慣病を引き起こし、動脈硬化を5〜30倍も発症しやすくなると言われています。

洋ナシ型は一見して肥満と分かりやすいタイプですが、リンゴ型の場合、外見だけでは分からないことがあります。太っているように見えない人でも、内臓にはしっかり脂肪がついていることもあるのです。また女性の肥満には洋ナシ型が多く、閉経後は内臓脂肪が増加するとも言われているため注意が必要です。

まずは自己チェック

メタボリックシンドロームは、かつては海外で定められた診断基準を参考にしながら診断が行われてきました。ところが、これだとそれぞれの国の生活習慣などの差を考慮する必要があります。そこで2005年4月、日本内科学会総会で「メタボリックシンドロームの定義と診断基準」が発表され、日本人にあった診断基準が設定されました。それが、表1のようなものです。

実はこれまでも高血圧、肥満、高血糖、高脂血などの複数の要因が重なった場合、動脈硬化などの深刻な病気になる恐れがあることは知られていました。内臓脂肪が蓄積された体の状態、あるいはその状態に(2)の1項目があてはまる場合に肥満症とされ、内臓脂肪蓄積された体の状態に(2)の3項目があてはまる場合は「死の四重奏」と呼ばれていました。

現在は、内臓脂肪蓄積された体の状態に(2)の2項目以上があてはまると「メタボリックシンドローム」とされ、この呼称が国際的に統一されてきています。

(表1)

(1) ウエストサイズが男性の場合、85cm以上。女性の場合、90cm以上 かつ以下の項目に2つ以上該当する

(2)

  • 中性脂肪150mg以上または、HDLコレステロール40mg未満
  • 血圧(最大)が130以上または、血圧(最小)が85以上
  • 血糖値(空腹時)110mg以上

*高TG血症、低HDL-C血症、高血圧、糖尿病に対する薬剤治療を受けている場合、(2)の各項目に該当する

実際にウエストサイズを測ってみましょう

CT (コンピューター断層撮影)などで内臓脂肪量を測定すれば、内臓脂肪型の肥満かどうかがはっきりします。CTを利用できない場合は、ウエストサイズから自分の内臓脂肪量を推計することができます。計測するときは、腰の一番細い「くびれ」の部分を測らないこと。おへそのまわりを測るのが、正しい測り方です。

表1の(1)にあるように、ウエストサイズが男性で85cm以上、女性で90cm以上だと、男女とも内臓脂肪面積が100m2以上に相当します。この値を超えると脳卒中や心筋梗塞などになるリスクが高まると言われています。

表1の診断基準に当てはまったからと言って、すぐに重い病態に陥るわけではありませんが、リスクがあることはしっかり認識しておきましょう。自分の体をきちんと理解しておくことは、病気の早期発見、早期治療にもつながります。

研究が進むメタボリックシンドローム

一方、メタボリックシンドロームの研究が進む中で、いろいろなことが解明されてきました。最近注目されているのは「アディポサイトカイン」という物質です。

「アディポ」とは脂肪を意味し、「アディポサイトカイン」は脂肪細胞が分泌しているタンパク質のことです。これは動脈硬化を防ぐと言われています。ところが内臓脂肪が増えすぎると、アディポサイトカインの働きが悪くなることが解明されてきました。またこの物質は乳がんを予防する働きがあるとも言われています。

メタボリックシンドロームを治すには

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高血圧症、高脂血症、糖尿病など個々の病気を治すことはもちろん必要ですが、これらの病気を招きやすくしている状態から脱すること、つまり内臓脂肪を減らすことが重要です。それには、やはり正しい食生活と適度な運動が大切です。

1. 正しい食生活

「食」の基本は、1日3回、規則正しい食事をとることです。体にとって大切な栄養素であるタンパク質、カルシウム、ビタミン、カロチン、ミネラル糖質・脂質などをバランスよくとりましょう。

≪食のポイント≫

  • よく噛んで食べる
  • 家族や友人と会話を楽しみながら食事をとる
  • 間食や夜食を控える
  • 塩分をとりすぎないようにする (醤油や塩の代わりにコショウなどの香辛料を利用する)

*人によってそれぞれ必要な摂取カロリーは異なります(年齢や職業などにより個人差があります)。摂取カロリーについては、かかりつけの病院などの栄養士に相談しましょう。

2 適度な運動

運動する習慣をつけましょう。ジョギングやウォーキング、水泳などの有酸素運動が効果的です。

参考例:ごはん1膳(160Kcal)を消費するには・・・

  • 散歩、家事、一般事務なら…… 60分
  • ラジオ体操、ゴルフ、入浴なら……… 40分
  • ジョギング、テニス、階段の昇りなら……………… 20分
  • 水泳、縄跳びなら…………… 10分

「食事の管理」「運動」と聞くと、おっくうになる人も多いかもしれません。しかし大げさに考えず、ちょっと自分の生活を見直してみてください。歩いて10〜15分程度の場所まで外出するだけで車を利用してしまっていませんか。あえてスポーツジムに通わなくても、通勤途上、階段を利用するのも立派な運動です。そもそも内臓脂肪は比較的カンタンにたまるもの。逆に言えば、心がけ次第でカンタンに燃焼させられるということですから、日々の健康管理に気を配って頑張りましょう。

 

 

 

人類は長きにわたって飢餓時代を生き抜いてきました。そうした中で、人は自身の体に脂肪を蓄えることによって、生命をつなぐこともできました。しかし脂肪をためすぎるのは危険です。

今回ご紹介した診断基準に該当するからと言っても、必ずしも「病気」だというわけではありません。反対に、当てはまらなかったとしても、ひょっとすると隠れ肥満かもしれません。 「私は大丈夫」という早合点は禁物。自分の体の定期チェックを欠かさず、少しでも気になったときは迷わず医師の診察を受けましょう。

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