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感染性胃腸炎に注意しましょう!

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感染性胃腸炎の患者届出数は、例年11月上旬から急増し、12月をピークに一旦減少しますが、1〜3月に再度増加し、その後徐々に減少していきます。

鹿児島県における2005 年第41週の感染性胃腸炎の定点当たり報告数は、過去5 年間と比較して、2002 年、2003 年の次に多いものの、第41 週時点では、増加の兆しはありません。しかし、小児科の病原体定点医療機関から提供された感染性胃腸炎患者の糞便をノロウイルス※について検索したところ、2005年9〜10 月(第36〜39 週)に発症した7人の患者様からノロウイルスが検出されました。感染性胃腸炎の散発患者様からノロウイルスが検出される時期が例年に比べて早いことから、ノロウイルスの流行時期が早まることも予想されます。これから本格的な流行が始まると思われますので、十分な注意が必要です。

感染性胃腸炎って、どんな病気?
1 感染性胃腸炎とは…?

感染性胃腸炎は病原性大腸菌やサルモネラなどの細菌、それにロタウイルスやノロウイルスなどのウイルスによって引き起こされる胃腸の疾患で、一年を通じて発症しています。夏期は細菌性のものが増加し、腸炎ビブリオや腸管出血性大腸菌などによる食中毒の発生がみられ、年によっては小さなピークを形成しますが、その後は秋に向けて減少していきます。冬期はウイルス性の胃腸炎が多く、いわゆる「お腹にくる風邪」の主因であるノロウイルスの流行が晩秋から増加し始め、12月にピークとなり、次いでロタウイルスによる乳児嘔吐下痢症の流行が2月から3月にかけてピークとなった後、初夏までだらだらと続きます。

子供から老人まで全ての年齢層で発症が認められますが、患者の75%が10歳未満の小児とされています。

症状は原因となる細菌やウイルスによって少しづつ異なりますが、発熱、下痢(水様便、血便など)、腹痛、悪心、嘔吐などです。これらの症状が単独または、複数の症状が様々な組み合わせで出現しますが、原因となる病原体、患者個人間で大きな差があり、症状の重さも様々です。

2 予防と発生時の対策

細菌性のものに対しては食中毒の一般的な予防方法を励行し、ウイルス性のものに対しては流行期の手洗いと患者様との濃厚な接触を避けるなど、いずれの病原体においても院内、家庭内あるいは集団内での二次感染の防止策を考慮することが大切です。 特にこれからのシーズンは、乳幼児にロタウイルスと呼ばれるウイルスによる乳幼児冬季白色下痢症と呼ばれるものが毎年数多く発生しており、注意が必要です。 37〜38℃程度に発熱する場合もあります。年長児では、これらの症状に腹痛が加わることもあります。

ノロウイルスの感染力は強く、患者様からの吐物・下痢便との接触や、手指を介するヒト−ヒト感染による伝播も多くみられます。特に、乳幼児・学童や介護を必要とする高齢者などの集団生活施設では、しばしば集団感染する場合があります。このような施設では、吐物・下痢便で汚れた衣服・寝具などの生活環境の消毒を行い、また、汚物処理後、用便後、調理前、配膳前、食事前に十分な手洗いなどを行うことが重要です。さらに、患者周囲の無症状者でも感染してウイルスを排泄していることもあることから、関係者全員が感染予防を心がける必要があります。

また、その他に一部はペットを介した感染も報告されていますので、ペットの扱いに注意(同じハシでの食べ物の共有、口から口での食べ物の受け渡し、など)も必要です。

3 経過について

体内に病原体が侵入した後、症状が出るまでの潜伏期も原因となる病原体によって大きく異なりますが、一般的には1〜3日程度(短いものでは6時間、長いものでは10日前後まで)です。この間は本人に症状はありませんが他人に感染させる可能性があります。

一般的に経過は良好ですが、原因となる病原体によってはその他の感染症を合併したり、症状が比較的長く続くこともあります。また、乳児の場合には病気の進行が急速なことが少なくないので、発熱、下痢、嘔吐などの症状があらわれたときには、早めに医療機関を受診して治療を受けてください。家族など周囲の人達が注意深い観察と配慮が重要です。

病気の発見が遅れたり、治療が遅れた場合には、嘔吐、下痢、発熱などの症状が組み合わさることによって脱水症が重症化して、生命にかかわることもあります。ありふれた病気、たかが脱水症だと軽視すると、非常に危険な状態に陥ることも少なくありませんので、十分な注意が必要です。

4 治療について

一般的には対症的な治療が中心となります。具体的には、下痢や嘔吐などで体内から失われた水分や電解質を経口や点滴などで補給し、脱水の改善と電解質(イオン)バランスの調整が行われます。また、患者様の年齢、症状等を考慮して抗生物質が投与されることもあります。

ノロウイルスとは

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「ノロウイルス」は、以前はノーウォークウイルスと呼ばれていました。その名の由来は、1968年に米国のオハイオ州ノーウォークという町の小学校で集団発生した急性胃腸炎の患者のふん便からこのウイルスが検出され、発見された土地の名前を付けて呼ばれていたからです。このウイルスの形は、1972年に電子顕微鏡により明らかにされ、ウイルスのなかでも小さく球形をしていたことから小型球形ウイルスの一種と考えられました。その後、非細菌性の急性胃腸炎の患者からノーウォークウイルスに似た小型球形ウイルスが次々と発見され、ノーウォークウイルス、ノーウォーク様ウイルス、あるいはこれらを総称して小型球形ウイルスと種々の名で呼ばれました。

このウイルスの遺伝子を詳しく調べると、非細菌性の急性胃腸炎をおこす小型球形ウイルスは2種類あり、そのほとんどはノーウォーク(様)ウイルスと呼ばれていたウイルスであることが明らかとなり、2002年8月に、国際ウイルス学会で正式に「ノロウイルス」と命名されました。もうひとつの小型球形ウイルスは、「サポウイルス」と命名されました。

ノロウイルスは、表面がカップ状の窪みをもつ構造蛋白で覆われ、内部にプラス1本鎖のRNAを遺伝子として持っています。ノロウイルスには多くの遺伝子の型があり、培養した細胞でウイルスを増やすことができないことから、ウイルスを分離して特定することが困難といわれています。特に食品中に含まれるウイルスを検出することが難しく、食中毒の原因究明や感染経路の特定を難しいものにしています(厚生労働省Q&Aより)。

 

(参考) 愛知県衛生研究所  三重県感染症情報センター 鹿児島県感染症のページ

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